映画紹介③シン・デレラ
こんにちは〜、アル中映画マニアです〜
今月のクレジットカード請求額が月給を超えており、首が回らないどころか半時計回りで捻じ切れそうです。
未来への不安、生活苦、配偶者への不満や職場ストレス、皆々様方それぞれの鬱憤をお抱えでしょう。
こんな時はB級スプラッター映画でも見て気分転換しましょう。
首から上が消えるのは私か、はたまた露出多めのスピーカー美女か!
⚠︎以下、グロテスクな表現、描写、ネタバレを含みます。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
今回私がご紹介したいのは「シン・デレラ」という映画です!
洋題は【Cinderella's Curse】、邦題を【シン・デレラ】。
何やらタイトルから不穏な空気が漂っていますね。
庵野作品以降、昨今供給が増えてきた【シン】シリーズの圧倒的二番煎じ感と、ポスタービジュアルから香るB級感。
博報堂のコピーライターも裸足で逃げ出す安直なネーミングからは、キャッチーさもしっかり感じられ、視聴の敷居を下げてくれる命名者の配慮が伺えます。
【シンデレラ】のストーリーベースを残虐性でコーティングした今作は、継母と姉妹への復讐の物語。
王子様も継母達とグルなので復讐の対象となります。お前だけは味方であってほしかった。
Fairy God Mother?いいやお前はFucking Shit Monster!
今作でももちろんフェアリーゴッドマザーは登場してくれます。
しかし、なにやら様子がおかしい。
呼び出すには人皮で作られたようなグロテスクな本が必要だったり、ビジュアルがセノバイトにいそうだったりと、魔法使いというよりまるで地獄の使いのよう。
モザイクを貫通してくる「コレジャナイ」感には、自称B級映画ハンターの私でさえも戸惑いが隠せませんでした。
願いを三つまで叶えてくれるアラジン要素に、「願いの全てを叶えたら下僕にならざるをえない」という設定まで加えられ、いよいよ「呪い」の権化と成り果てています。
FGM「さぁ、お前の願いを言え、三つまで叶えてやろう」
シンデレラ「舞踏会で王子様と踊りたいわ」
FGM「わかった、叶えてやる。残りの一つはとっておくがよい」
二つ目の願いはどこに行った…?という疑問が浮かぶのですが、おそらく「舞踏会に行く」と「王子様と踊る」という二つの願いが内包されているのだと解釈しました。
加えて、「全て叶えた後、お前は私の下僕になる」等のセリフもない。契約デメリットを一切伝えないタイプの営業ですね。全く!商売上手なファッキンフェアリーゴッドマザーだぜ!!!
ガラスの靴は凶器です
ホラー、スプラッター映画にはさまざまな凶器が存在しており、それがキャラクターの象徴となることはよくありますよね。
なんと、今作のシンデレラのメインウェポンはガラスの靴です。嘘じゃないです。
ヒールで頭をかち割り、喉を切り裂き、思うがままにぶん回します。
シンデレラのストーリーを進める為に重要な小道具を凶器として象徴化するセレクト、喜劇の小道具を悲劇の凶器へと変える洒落っ気には素直に脱帽です。
また、意外な人物(?)もガラスの靴の餌食になってしまいます。契約デメリットを伝えなかった罰ですね、因果応報めでたしめでたし。
感想とまとめ
復讐系ホラーの金字塔【Carrie】とディズニープリンセス代表格の【シンデレラ】を足して2で割り切れず、四捨五入したら3になる余を無理矢理スプラッター要素にして詰め込んだ作品。というまとめになりそうです。
個人的にはもう少し殺害方法にバリエーションと工夫が欲しかった。グリム童話的発想の脚本ベースは良いだけに勿体なく感じました。
80分程度の上映時間でしたので、物語にもっと厚みを持たせるとか、ホラー描写に緊張感を与えるとか、復讐シーンを引き伸ばすとか、きっとまだまだやれることはあったと思うんですよね。
また、今作において最も憎まれるべき存在達、特に継母への復讐の方法がカタルシスに欠けていました。
エラ(シンデレラ)や使用人に対する虐待描写も原作より凄惨だった為に、ここは期待していたのですが...
加えて、物語前半で使用人の息子が拉致され地下室らしきところに閉じ込められるのですが、その後救出描写等がなく完全に放置されていました。
ある意味この映画で1番可哀想です。
傷心のエラにパンを差し出してくれた、この物語の良心みたいな子だったんですけどね。
低予算感が否めない部分も多かったので、大型制作会社で多分に肉付けを行ったリブートを見てみたいものです。
サブスクに舞い降りたらお手隙の際に見てみてください。サブスクで。観て下さいね。
それではまた次回もお楽しみに!
P.S. B級映画の方が筆が乗るのなぁぜなぁぜ?